エンレカン・カロシ 買い付けレポート
私たち岩下珈琲は「インドネシア産コーヒー豆専門店」 として、その広大な大地の多様な魅力を追い求めています。2025年8月、今年も私たちはその奥深い魅力を皆様にお届けするため、インドネシア・スラウェシ島へ飛びました。
今回の目的地の一つ、トラジャ地方の南に位置するエンレカン県、「カロシ地区」。ここは、そのユニークな取り組みに毎年驚かされる特別な場所です。
「無農薬」である、本当の理由

私たちが掲げる「〈安全〉=無農薬の生豆」 という約束。カロシの農園は、その理想的な答えの一つです。
ここの農園は、いわゆる「開拓された農地」ではありません。 もともとあった雑木林の中、自然の生態系をそのまま残す形でコーヒーの木が植えられています。 豊かな下草、多様な木々が日差しを和らげ、肥沃な土壌を作る。化学肥料や農薬に頼る必要がない、まさに「森がコーヒーを育てている」のです。だからこそ、ここは本物の「無農薬」なのです。
この豊かな森の中で、私は毎年必ず行う「儀式」があります。 それは、農園で赤く、宝石のように輝く完熟したコーヒーチェリー(果実)を見つけ、その場で果肉をかじって確かめること。
口に含んだ瞬間に広がる、凝縮された甘み。 「ああ、今年も良い。この甘みが、素晴らしいコーヒーになるんだ」 そう確信する瞬間です。
カロシ独自の知恵と力強さ

カロシの農園には、他の産地では見られない独特の知恵があります。 ここの木のほとんどは、「ジェンベル」という伝統的な品種です。しかし、驚くべきことに、その多くが「ロブスター」(ロブスタ種)の強い幹に「接ぎ木」されて育てられています。
病気に強く、生命力のたくましいロブスター種の幹が、繊細なアラビカ種である「ジェンベル」を支え、大きく成長させる。 伝統的な品種の「風味」と、現地の知恵が生んだ「力強さ」が融合した、カロシならではの姿です。
ハウス乾燥と「インディアンベッド」

カロシの先進性は、収穫後にこそ発揮されます。 まず驚くのは、その精製方法の多様性です。
ここでは、私たちや他のバイヤーの要望に応じて、加工製法を変えてくれます。果実味あふれる「ナチュラル」、複雑な甘みの「ブラックハニー」。そして、私たちが特に注目している、力強い甘みとボディを持つ「セミ(セミハニー)」。同じ農園の豆が、プロセス一つで全く違う表情を見せるのです。
そして、品質管理の極め付けが「乾燥」です。 雨が多いこの地域で、彼らは妥協しません。コーヒー豆はすべて、「インディアンベッド」と呼ばれる非常に珍しい高床式の乾燥棚で乾燥されます。 地面から高く離された網棚の上で、ハウスの中の管理された空気に触れさせ、ゆっくりと水分を抜いていく。
この「高床式」のハウス乾燥こそが、雑味やカビの発生を徹底的に防ぎ、カロシコーヒーの持つ「クリーンな風味」と「マイルドな味わい」 を生み出す心臓部なのです。
森の力で育ち、独自の知恵で磨き上げられる「エンレカン・カロシ」。 今年も、この素晴らしいコーヒーを皆様にお届けできることを誇りに思います。
このように大切に育てられたコーヒー豆を今年も***g仕入れることができました。
到着するのが楽しみです。
コーヒー豆の特徴 / Features
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浅煎り
- ・甘 味
- ・苦 味
- ・酸 味
- ・コ ク
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中煎り
- ・甘 味
- ・苦 味
- ・酸 味
- ・コ ク
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深煎り
- ・甘 味
- ・苦 味
- ・酸 味
- ・コ ク
コーヒー豆の産地 / Producing Area


スラウェシ島の中部の町、エンレカン・カロシで収穫された豆。
香りが強く、味はマイルド。万人に好まれる飲み易いコーヒーです。













