私がインドネシア駐在時の話である。アパートメントから会社までの通勤路で毎日見かける親子のホームレスが居た。4~50歳くらいの女性と乳飲み子である。行き交う車からなにがしかの施しを受け、生活をしているのである。私は、彼らに何かをしたいという気持ちから、毎日、わずかなお金や、食べ物、バスタオルなどを、渡していた。毎朝、道路際まで来て、親子で座り込んでいるので、そこへ「差し入れ」を投げ込んでいた。その期間は、1年以上続いたと思う。当初オッパイを飲んでいた乳飲み子も月日が経ち、母親のオッパイから離れて動...
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アントン農園 支援報告
アントンさんは、今43歳。7人の子供と奥さん。11人の仲間とコーヒー農園を営んでいる。ここは、インドネシアパプア州ワメナ。ついこの間まで、原始的な生活をしていたらしい。このアントンさんとの出会いが、私のコーヒーに対する思い入れが更に深くなった。《赤道直下のコーヒー農園に従事する貧しい人々》、そのものであった。ここで現実を見た気がした。アントンさんの子供達は、今、高校生だ。国の政策で授業料の無償化で彼らも学校へ行けるようになったそうだ。しかし、彼らは親の事業を見て、後を継ぎたいと思うだろうか?藁葺...
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インドネシア・スラウェシ島トラジャ県の山奥で一人の老女を見かけた。その老女は、石臼で何かをついていた。中を覗くとコーヒー豆だった。香ばしい香りが鼻を衝く。コーヒーを粉末にしている最中であった。どうやら焙煎は、自分の家で、鍋で煎った様だ。聞くといつも自分でこうやって飲んでいるそうだ。ドリップ式など無いこの地域。飲み方は、この粉末をカップに入れ、お湯を注ぐ。当然粉が浮いてくるので、沈むの待つ。そして、沈みしろを徐に口にする飲み方である。私もこのやり方で飲んだことがあるが、どうしてもコーヒー粉末は口に...
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